「うわぁ~、ごはんがひかり輝いてる!」
そんな、キラキラなお米を口に入れると
ひかりが全身に広がって
カラダが温かくなり、心が満たされて、
幸せいっぱいな気持ちになる・・・
そんな体験を、人生で一度でもすれば
きっと見ている世界は変わるはず。
そう信じてきたわたしが
今度はそのひかりを、
一人でも多くの人に体感していただくために、
本を出すことになりました。
その名も、「美味しいごはん」
はじまりは、18歳の時でした
わたしは、大阪府の枚方市楠葉という小さな町で
10年間、「御食事ゆにわ」というお店の店長をしています。
当時、わたしは不幸のどん底にいました。
人間関係、勉強、部活、アルバイト
すべてうまくいかず、
心もカラダもボロボロになっていました。
実はそのとき、この世で一番嫌いだったのが「白いごはん」でした。
しかし、ある日、「ひかり輝くごはん」を見て
希望のひかりを食べ、感動し、涙し
不幸のどん底から、人生が180度転換・・・
そんなわたしが、まさか
「ごはんの食べ方を変えたら、人生が変わった」という方々に
毎日お会いすることになるとは、思ってもいませんでした。
どんなに、つらいことやイヤなことがあっても
キラキラとひかり輝くごはんを食べるだけで、誰でも幸せになりますし
ごはんには、人生を変える不思議なチカラがあります。
「ごはんで人生が変わるって、そんなおおげさな…」と思われるかもしれません。
その気持ちは、分かります。
当時のわたしも、きっと信じられなかったでしょう。
でも、今は違います。断言できます。
お店をやって12年。
まさに奇跡としか思えないほどの
多くの方の人生の変化を目のあたりにしてきました。
- 離婚寸前で、崩壊していた家庭が、ごはんをきっかけに復活して、
以前よりもきずなが深まったご夫婦。
- ごはんの向き合い方を変えたら、
8年間、恵まれなかった子供を授かった女性。
- 食の意識が変わったら、30年以上悩まされ続けていた頭痛が治り、
仕事も家庭も人間関係も変わった経営者。
- 一日ほんの一口や二口しか、
ごはんを食べられなかった拒食症の女の子が、すっかり元気に。
- 仕事をやめて、お金もなかった女性が、本当の自分に気づき、
たった1年で、願いがすべて叶った。
- 食べても満足できなかった過食症の女性が、
本当に満たされるごはんとは何かを知った。
- 食べられるものが、ほぼなかった男子大学生が、
偏食が改善するだけでなく、偏った考えもなくなった。
挙げたらキリがありませんが
多くの方が、ごはんを食べて、人生を変えてきたのです。
しかし、わたしに、特別な力や技術があるのではありません。
みなさんにやってもらったことは、ひとつだけ。
ごはんの素晴らしさを知り、食べ方を変え、
ただただ美味しいごはんを笑顔で食べてもらうこと。
わたしがスタッフにお伝えしている美味しいごはんの作り方は、とてもシンプルです。
それは、意外かもしれませんが、
レシピや、料理の作り方を教えることではなく、
「心を美味しくする」ことなのです。
失われつつある日本の食文化
近年、チェーン店なども増え、
日本がもともと持っていた食文化は徐々に
失われつつあります。
チェーン店は、「マニュアル」を作り、誰でも、 それこそ高校生でも、
すぐに作れるようになることで、 全国に展開しているのです。
わたしたちもよく、
「日本中にお店を作って下さい」 「全国チェーンにして欲しいです」 と言って頂くのですが、
残念ながらチェーン店にはできないのです。
わたしたちが目指しているのは、チェーン店とは全く異なります。
確かに、チェーン店のように、誰でもすぐに働ける場 所自体を否定する気はありません。
(そういったものが無くなれば、雇用がほとんど無くなるからです。)
しかし、ゆにわでは、単に料理の腕が良かったり、
接客の仕方が分かればそれで良いというわけではなく、
「美味しい心」を育てる事を重視しています。
むしろ、心ができていない人には、料理に触れさせません。
わたしの知り合いに、大学時代にチェーン店でアルバイトをしていたという方がいます。
その方は、毎日厨房で店長に怒鳴られて、精神がボロボロになり、
それでも厨房から出ると、お客様には笑顔を見せ続けないといけなかったそうです。
汚い厨房で、店長はお客様の見えないところでずっとタバコを吸い、
お客さんの愚痴ばかり言っていて、 とても気持ちよく料理を作れる空間ではなかったそうです。
そんな状態で作った料理は、
たとえ味は美味しくとも、気が入っていません。
つまり、お腹が満たされても、
心が満たされないのです。
ゆにわが(すぐには)全国展開できない理由はそこにあります。
「場所なら貸しますよ」
「店を作るなら資金は投資しますよ」
と言って下さる方は沢山いるのですが、
そこで働く人の心が育っていなければ、
どんなに良い食材を使っても、気をこめる事ができないからです。
そしてそれは、数か月研修して育つようなものでもありません。
もちろん、チェーン店にして全国展開した方が、すぐに有名になるのかもしれませんが、
その先にわたしたちが目指しているものは無いのです。
わたしがこれまで作ってきた、光に満ちた「美味しいごはん」は、
決して、レシピがあれば作れるものではありません。
もっと大事なのは作る人の思い、生き様です。
たった1個のおにぎりを握ったとしても、 作る人の生き方が美味しかったら、
気がこもった、最高に美味しいおにぎりになるのです。
おにぎりを握る瞬間に、もし、
少しでも余計なことを考えたら、
その雑念がおにぎりに入ります。
つまり、おにぎりを握る1分間には、
それ以外の23時間59分が全て詰まっているのです。
だから、おにぎり1つに、その人の生き方全てが表れます。
「レシピなんて無くとも誰でも作れるような、ご飯や、味噌汁を、
いかに輝かせることができるか?」
それが、わたしが伝えたい「美味しいごはん」なのです。
「ごはんが美味しくなる生き方」を日本中、
世界中に広げたい
何をやるにしても、そこに「光」を感じ、
その光を多くの人に届けるつもりで、 1つ1つと真剣に向き合う。
これほど幸せに満たされ、運が良くなる生き方はありません。
わたしは、そんなごはんが美味しくなる生き方を、「食」を通して伝えていますが、
ありがたいことにお店には毎日お客様が来てくださいます。
でも、やはりわたしが直接お話できる方は限られてしまうというのが現状でした。
そこで、もっとその生き方を多くの人に伝えていきたい!という思いから、
2年の歳月をかけ、ずーっとコツコツと作り続けてきた、
映画「美味しいごはん」がようやく完成し、
2018年6月30日に、400名が入る大きな映画館で初公開されました。
今現在も、毎月日本全国で、
映画を見て共感された方々が、自主的に上映会を開催してくれていますし、
ありがたいことに、その人数も日々増え続けています。
映画を見て、「ごはんが美味しくなる生き方」を全身で感じてもらい、
そして、今回出版することになった新刊「美味しいごはん」を読んで、
日常の中でその生き方を実践していく人がもっともっと増えていったら、
きっとこの国ももっと元気になるんじゃないか?そう思っています。
こんな風に、一部の人にしかできないことではなく、
毎日のごはんを通じて、誰でも、そしてどこでも、「美味しい生き方」を実践できる。
そんな環境を作るための新たな試みにチャレンジしています。
「ごはんで人生が変わるって、そんな大げさな・・・」
と最初は思われるかもしれません。
正直、わたしも、最初はそう思っていました。
しかし、今は断言できます。
食べ方を変えたら、本当に生き方が変わります。
せっかくここまで読んでくださっているあなたにも、
ごはんを通じて、光に満たされる体験をしてほしいなと思っています。
もちろん、最初は映画を見たり、本を読んでもらうだけでも構いません。
ただ同時に、もっともっと一緒に「美味しい生き方」を実践し、
広めていく仲間になってもらえたらいいなと思っています。
それは本当に、ずっと一緒に学び、意識を高め、成長し合って、
共に生きていけるような、 生涯を通した仲間です。
そんな仲間と共に、安らぎと光に包まれた家庭や職場が日本、
そして世界のあちこちでできていったら嬉しいです。
2018年9月 料理人ちこ